2021年がスタートしました!!
もうじき成人式がやってきます。
成人式の当日は、ひたすらダッシュで振袖に向かいますが、当日は、実際はなかなか服を脱いでくれないお客様もいたり、すごく遅刻してくる人もいて、ヒヤヒヤ焦ってしまうことも。
また、ここ数年に多いママ振り(ママの振袖)の場合は着物自体が小さかったり、帯がすごく短かったり、どうしたってスムーズに運ばないことも多くあります。
とにかく、そんな事態になっても振袖着付けを楽しむことがができるように、「困った事」前提で練習はしておきましょうね。

どんなに焦っていたとしても外しちゃいけない注意点を並べましょう。
(1)裾の長さ
振袖のすその長さは床ギリギリですよ〜。
あと気をつけたいのがすそよけと長襦袢の長さ。着物の裾から長襦袢が見えちゃダメですからね。
また、着付け後動きやすいよう着物の下前の裾を折り返し、出来れば一度空気を入れて歩きやすいようにしてあげましょう。
(2)腰紐はしっかり
苦しいとか言われたってここは緩めません!帯を巻くと苦しさは感じなくなりますので、お客様にはそう話してそのまま進めましょう。私自身は腰紐は肝なのでフタからげして締めてます。
(3)衿もとの対称とバランス
刺繍の半衿のとき無地の白い衿の時よりキモチ多めに見せ流ようにしています。
首の長さ・アゴの形・ヘアスタイル・肩の角度をしっかり見て、衣紋の抜き具合を調整しながら衿の角度を決めていきます。
左右対称は絶対です!ここが最も目立ちますからね。
(4)おはしょりを綺麗に
おはしょりがクチャクチャなんてあり得ないです。ここは必ず綺麗に布目を通して、シワを消します。
おはしょりの高さは●cmって着付け教室では言いましたが、着物の丈によってはどうしても足りないことがあります。それでも腰紐の高さを調節して、最低限美しいバランスで仕上げましょう。お腹の丸みがある子は、決してお腹を目立たせないように、着付け師としての気遣いをするようにしましょう。
(5)帯は胸高に
振袖で帯が低いと急に老けた印象になります。もちろん背中の羽が肩口から見える事はなくなってしまいますね。
一巻き目をしめる直前、ちゃんと高さを確認しましょう!!
お客様の位置から見たこの一瞬のひと手間で全体のバランスが見えます。もし歪みやシワに気づいたら、面倒がらずに一旦帯を置いて、キリッと整えてから帯を締めましょう。帯を締めてからは着物は直せません。
(6)帯は1巻目からしっかり締めて
帯の二巻目で一生懸命しめようとしてませんか?
残念ながら物によってはこれっぽっちも締まりませんし、ヘタすると着付け師の腕を痛めてしまいます。
時間が経つとしっかり締まっていない帯の間の空気がさらにゆるみ、帯全体が下がってきます。(よく見かける帯揚げやまくらガーゼが丸見えになってる、そうアレです。)
お友達との写真にも全部残るわけですから、これじゃあ着てるお嬢さんが可哀想。
一巻き目で下線をグググっと締めて、二巻目でジワーーっと締めてあげてください。
(7)帯締めをきっちり締めて
もうじき完成です。この帯締めで帯結び全体をしっかりと支えますから、ちゃんと前に引いて緩みなく締めましょう。
振袖の場合いろんな飾り結びをするわけですが、まずは本結びをしっかりとします。あと飾りの部分が何があっても乱れない、外れない形で仕上げます。
写真撮影とは違って、着付け後式典やお友達たちのところへ出かけていくわけです。もちろんそこでは何かがあっても誰も直せませ。「緩まない、崩さない、困らせない」これが着付け師の絶対条件になります。
(8)手早く
立ってるお嬢さん達はしんどいです。長引けば長引くほど辛くなりますし、戸惑ってるように感じさせたらお嬢さん達はすごく不安になります。
とにかく手早く美しく仕上げましょう。そして笑顔で送り出しましょう。

今年はコロナの影響で開催されない地域も多々あるようで、この日を目標として必死に勉強してきた着付師さんたちにとってはショックも大きいでしょう。
でもね
振袖着付けはまだこれからもあります。
諦めなければあります。
だからこれからも続けましょう。
着付けはやらなくなるとどんどん下手になります。
逆に、あれこれ考えて悩みながら着付け続ければ上手になります。
だから
着付け続けましょう。