
特に分刻みのスケジュールの中では「スピード」がとても大事です
また、思い出として写真や動画にずっと残りますから「美しさ」は絶対譲れません。
だけど、忘れちゃいけないのが「着心地のよさ」。
どんなに時間がなくても、お客様が1%でも不快な思いをしてしまうかもしれないような着付けはNGですね。
結び玉ってかなりダメージ大きいんです
紐や帯の締め具合には注意をしてますが、この「結び玉」特に肌着の結び玉は見過ごされています。
結婚式などふだんは着物なんて着たことのないお客様が、朝早くにどこかでお支度されて、親族紹介、挙式、集合写真と進んで、披露宴にはいる直前に「痛いんです。助けてください!」と飛び込んでくることもあります。
どこが辛いのか探っていくと帯のずっとずっと奥の方。
仕方なく帯は解きます。
腰紐でも、胸紐でも、伊達締めでも、コーリンベルトでもない。。。
披露宴の入場まで時間がありません。
探るより着せ直した方が早い!と長襦袢になってもまだ痛い。
・・・見つけました。
肌着の紐を蝶々結びにされてます。
これですね。
補正の内側ですし、直接体に響きます。
ここは軽くひと結びして左右に振り分けるだけにしましょう。
蝶々結びにしても片花結びにしても、結び目『玉』ができちゃいます。
これが上にいろんなものが重なった挙句「痛み」となってしまったのです。
お着物を人に着せるときって、その方のツボはわかりません。肌や刺激への敏感さだってわかりません。ましてや礼装なんかは重量もかなりありますから、「このくらい平気でしょう?」はとっても危険。
先ほどの話しは補正の下の出来事でしたが、万全の中止のためには余分な玉は作らないようにしましょう。
細身の方な骨に当たることもありますから特に注意が必要です。
ちょっとひと手間の確認をするだけ
どんなにしっかりお願いをしていても、被り(かぶり)のお洋服で来られます。
そんな被りの洋服をで来られたお客様には、肌着(裾除け)に着替えてガウンを着せてからヘアセットメイクに入ってもらう会場もあります。
そしてその後着付けに入るのですが、このとき先に着せた肌着を直さずに進めてしまい、後から肌着に結び目があってそこが痛いことになってしまった。
こういうこともとても多いです。
肌着をちゃんと直すことで防げたミスですね。
着付け後も着付け師が残っていたから着せ直すことができましたが、着せたら帰ってしまうこともよくあります。
着せ直しなんてできません。
ましてや新郎新婦のお母様だと着物を脱ぐこともできません。
無理に我慢して体調を崩したお母様の話しも聞いたことがあります。
あぶら汗をかきながら真っ青な顔で披露宴のお開きまで我慢されたそうです。
(もちろん出禁レベルの大問題)
こんなところを気をつけてます
紐は補正の上や脂肪の上を通ってますか?
紐の通るベストポジションがありますよ。
コーリンベルトの位置は安全ですか?
プラスチックも金具もかなり硬いです。
コーリンベルトの金具を紐で押していませんか?
アザになるくらい結構痛いですよ。
胸紐や伊達締めに結び目作っていませんか?
左右に振り分けてください。伊達巻は別ですが。
帯枕の結び目は大丈夫ですか?
しっかり引いて帯の中に入れるのですが、その前にみぞおちと肋骨に当たっていませんか?
胃下垂の方もいるので反応をよく見ましょうね。
まとめ
いつも「紐あたりがきになる時は教えてください」と言ってからお着付けしています。さらに胸周りを締める際には「いかがですか」と一声かけます。
着せることに夢中になるのは当然ですが、お客様をよく観察しながら着付るのが一番の方法です。
他装着付けも練習も、つねに人に触れることを意識して、体に沿った手が自然にできるように体に染み込ませんることが大切ですね。