
着付け師の手として無くてはならないアイテム「着付けクリップ」。
クリップには必要以上に注意して扱ってますよ。
今日はその事について書きますね。
クリップの出番は意外に多い
クリップはどんな時に使ってますか?
わたしが普段どんな時にどの場所に使用してるか書き出します。
こうやって見ると、クリップの利用頻度に気付かされますね。
●長襦袢や着物の準備で縫い物をするとき
お支度の場ではマチ針は使用しません。
万が一そのマチ針を一本でも落としてしまったら、それはそれは大変な事になります。例えるなら銀行で1円計算が合わない!こんな感じでしょうか。
●背中心や比翼や伊達衿など衿周りを留める
基本中の基本ですね。
特に比翼の場合はシワなく緩みなく着物より5ミリは控えて、長襦袢の衿とのベストポジションを決定します。
●補正のタオルや長すぎる肌着を抑える
綺麗な着付けには補正は不可欠。クリップは第3第4の手、上手に使います。
小柄なお客様のワンピース肌着が大きすぎるとき、腰紐は使いたくないので、裾をあげて補正で押さえます。
※ここで取り忘れる事が結構あります。そして後で気付いても取れません!泣くしかありません。
●衣紋の空きを固定する
これはあくまで1人着付けのときの私のやり方です。
この固定をしておくと、長襦袢にテンションをかけても衣紋がズレにくいですから。
何も使わない人もいますし、仮紐で押さえる事もありますよね。
●胸紐をする前の襟元の決定
体の前面はお客様がマジマジと見てます。さらに胸元はひじょーーーに目立ちますから、ここに違和感があると失敗と同じになっちゃいますね。
半衿の出具合はもちろん、そこに3ミリ〜5ミリ沿って出る伊達衿や比翼は綺麗に決めることが大事。そのための一押さえです。
●おはしょりをピシッとあげて右脇を抑える
腰まわりをぐるりと綺麗にあげて右脇の入込みを抑えてから伊達締め。
右脇はちゃんと押されておかないと、帯を締めていく時に布が引っ張られちゃうので、踏ん張りがきく大きめのクリップで留めてます。
●帯を作るときのお助け
せっかく締めて帯が緩まないようにしたり、変わり結びでは羽根を作って留めておいたり、帯の生地にズレがあるときは帯締めで締めるまで留めておきます。
自分の小物に自分の手順。しっかり把握しとこう
どの部分にクリップをいくつ使っているか。
どんな種類の物をいくつ現場に持っていってるのか。
これらをちゃんと分かっていないと、大荒れの現場では困った事になります。
多数のお客様がいるときは、着付け師も複数いたりして、みんな似たようなクリップ使ってます。
さらには、2人着付けで後ろに入り着物の衿を留めて…
ハイそこで違うお客様の着付けを始める事に。
そうするとクリップを残したまま離れるわけで、こういう時がホント危険。
なので、
衿と右脇のクリップは、前の着付け師のクリップで留め直す。
衿と右脇のクリップ以外は用が済んで回収したとこで離れる
そして必ず手元のクリップ数を確認する。
こうして取り忘れを意地でも防ぎましょう。
まとめ
着付けの波が過ぎたそのとき、クリップがない事に気付いて大騒ぎ。
しかも着物の内側、特に補正や長襦袢で取り損じてしまうと、あとから回収出来ません。
また、お客様は痛かったりヒドイと痣になってしまう事もあります。
恐いです。
大きいクリップはお値段も高いし、ほんとよく使います。
着付け師の相棒「クリップ」
大事に大事にしましょうね。